4段審査に合格されましたK林さんの小論文です。
11月22日
「繋がり」を意識して
今回、4段の昇段審査受ける機会をいただくことになりました。大阪合気塾での稽古は、今月でちょうど10年目に入りました。振り返れば、長い間、合気道の稽古をしながら、何を課題として、どのように関わっていくのか曖昧な気持ちの状態が続いていました。近年、師範が稽古中に体術を教える際、「繋がり」という言葉をよく使用されます。私は、最近、この「繋がり」という言葉に、合気道の稽古を続けるにあたっての方向性を感じております。今回は、稽古における繋がり、大阪合気塾との繋がり、社会生活における繋がりについて、現在の私の考えを述べたいと思います。
まず、稽古における繋がりですが、合気道の相手と一体となる滑らかな動きの源は崩しにあると考えます。崩しができていなければぎこちない動きとなり、相手を導くことができません。相手と出会った際に崩す、そして、技の最後まで崩し続けることが、美しい技に繋がります。しかし、この崩しが非常に難しく、稽古をする上での最も大きな目標になります。この崩しのためには、相手と自分の繋がりを保つことが重要になり、それには、力まない、自分の中心を守る、軸、間合い、呼吸、タイミング等の様々な要素が求められます。また、自分の体の動きがバラバラでは相手と繋がれません。自分の体の動きが一体化していないと体の一部分である腕や手首のみを使った技になってしまいます。数年前に、稽古中に先輩方に私の体の動きがバラバラであることをご指摘いただきました。ちょうど自分でも構え、姿勢や意識をどのように持てば良いか悩んでいた時でした。そのような時期に、太刀の振り方を教えてもらう機会がありました。太刀の稽古では相手を意識せず、自分の体の動きのみに集中できたため、意識する要素を相対動作に比べ、絞り込むことができました。最初は腕で振っていましたが、何度も太刀の稽古をするうちに、特に一の太刀を稽古するうちに、徐々に軸、呼吸、力の緩めを意識でき、体の動きの一体化に少しずつ繋げていくことができたと感じています。この太刀の稽古と繋がりを意識した体術の稽古を通して、相手と自分の繋がりについて、良い方向へ持っていけていると実感しています。
次に大阪合気塾との繋がりですが、3段への昇段直後、複数の先輩指導員が仕事の都合で、他の地域に移られたことにより、師範から代理指導のお声をかけていただきました。何かの形で、お世話になっている大阪合気塾のお役に立てることはないかと考える一方、よく理解ができていない中で、人に教えることにためらいがありました。しかし、指導員の不足で、稽古日が少なくなることや、少数の先輩指導員の方々に負荷がかかるのは避けたいと考え、お引き受けすることにしました。この4年間、代理指導の際の稽古参加者の方々には、慣れない指導を暖かく支えていただいき、大変感謝しております。今後ともその時々の可能な範囲でサポートし、稽古を続けていきたいと思います。
3つ目の社会との繋がりですが、何のために稽古をするのかを考えると、稽古で培ったことを社会生活に生かせていかなければと思うところですが、これが非常に難しい。その日の稽古が終わると日常の社会生活に戻り、苦手な相手には身構え、心と性格はなかなか変えることはできません。しかしながら、相手を尊重し、繋がりを意識していくところから始めていきたいと思います。
最後に、須磨師範にはいつも丁寧なご指導をいただき大変感謝しております。また、先輩指導員の方々にもいろいろとご指摘、ご助言いただき、特に大國さんには太刀の振り方や指導する上での注意等も含めご指導いただきありがとうございます。これからも一緒に稽古される皆様と良い繋がりを持ちながら、楽しく稽古を継続していきたいと思います。
以上
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