お知らせ

3段審査に合格されたHさんの感想です。

11月26日

「3段審査を終えて」

今回昇段審査を受けさせていただきありがとうございました。

また昇段審査を受けるまでにご指導を頂いた須磨師範、指導員の先生方、また一緒に稽古してくださった同士の方々にも感謝申し上げます。

今回昇段審査を受けるにあたり意識したことは「大阪合氣塾に入会してから須磨師範を始めご指導頂いた方々から学んだことを動作や技の中に発揮すること」です。

私が大阪合氣塾に入会してからの稽古は合気道とより深く向き合い自問し試行錯誤した日々でした。自分がこれまで培ってきた合気道の技や動作と相対した相手との間の溝を知り、悩み、気付き、見つめ直し、埋め合わせる。その繰り返しの日々を積み上げるうちに学んだこと、教えていただいたこと、気付かせていただいたことがたくさんありそれらを審査の中に発揮する、そんなことを目標に審査に臨みました。具体的に意識したことを3つ述べたいと思います。

①姿勢と重心

背筋を伸ばし臍下丹田を意識する。そして入身・転換など動く際は膝を柔軟に使い身体の重心を安定させる。また入身する際は重心が動くように、転換の際は重心が振り回されないようにする。

目線が下に向くなど頭が下がり気味になるとそれにつられて身体のバランスが崩れます。

前を見据え相手全体を視野に入れる姿勢がまず重要かと思います。また私は入身とは重心を移動させることと考えております。入身する時前足を1歩進めるだけでは身体が移動しても重心は足の方向に伸びるだけであり、そうではなく点として移動させるからこそ相手に陰を打たせる、相手を崩すことができ技においては相手に威力を伝えることができるのだと考えるからです。そして転換においては重心を前に安定したまま行なうことこそ肝要であると思います。転換した結果相手側にまで入り込んでしまえばただ相手と同じ方向を向いただけになってしまうからです。

②身体の中心で技を行なう

自分の「強い」状態で構える、技を行なうことが合気道において重要であると思います。

「強い」とは姿勢良く自分の中心軸をしっかりともち身体のバランスが取れた状態。脇を締め自分の中心で技ができる状態。私の場合特に四方投げの稽古で意識しました。自分の中心に収め剣を振りかぶるように中心に沿って振りかぶり投げるときも中心に戻る。やはり身体から離れた所で動かそうとするとそれは腕力での動きであり腕力の強い人・諸手取りなどの際にどうしても動きにくくなってしまいます。そんな時こそ入身し自分の中心に入れる。自分が「強い」所で技を行なう。それに気付いてからは体の転換や入身投げ一教など他の技にも応用ができ、またどの範囲であれば自分が「強い」状態で相手を迎え入れられるのか、その空間を少しずつ把握できるようになっていったように思います。これが自分の技をする「間合い」であると考えます。

③動作における無意識を無くす

大学時代私は型をひたすら稽古することで技そして合気道に必要な動きを学んできましたが、その分型をなぞることに意識が向きすぎてしまい、動作中に無意識に動いている部分が非常に多いことに気付かされました。もちろん型を繰り返し繰り返し稽古することはとても重要ですが、そこから先を突き詰める大切さに気付かされたのでした。そこにこそ技が上手くかからない要因が潜んでいたのではないか。例えば何気なく相手に片手を取らせてしまう、何気なく入身する、型通りに相手を導くだけ、等々。そういったところに自分では意識が届かないところに癖があり習慣化した隙がありました。型をなぞることに終始しその動作について深く考えずに動いていたのです。そこに意識をめぐらせて動くことでその次の動作がやりやすくなり、より隙を無くすことにより自分が「強い」状態で技ができるのだと気付きました。

以上が私が稽古する中で気付き意識し繰り返し稽古して修正してきたことであり、それらを私の動作や技の中に融合させることが目標でした。と同時にその過程で私の中で技の見直しということに至りました。合気道の世界にだけ通じる技にはまらないこと。誰にでもかかる・誰でもかけられる技を目指すこと。それが次の指針になったように思います。

昇段審査を受け終わった今、気付かせてもらった上記3点をもとに合気道に更に理解を深めあるいは見つめ直すと共にその他の点についても気付き学び私の中での合気道をより深みのあるものに極めていきたいと思っております。その時には上記で気付いたことへの理解が変わっているかもしれませんが、それはまたその時にどう変化したかについて振り返ってみたいと思います。

最後に、これまで述べてきましたことはご指導いただいた須磨師範を始め、今泉先生、大國先生といった先生方のご指導ならびに大阪合氣塾の皆様と稽古し研鑽し合って結果身に付けることができた賜物です。2人で1つの技を作り上げていくというこの合気道の素晴らしさをこれからも私自身経験していくとともにその教えを広める方にも目を向けていきたいと思います。

皆様これからもご指導のほど宜しくお願い申し上げます。     以上

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