「合気道探究」に掲載されますS磨K夫さんのエッセイです。
6月26日
薬剤師から見た合気道
私と合気道とのつながりは昭和46年(1971年)に遡ります。それから43年間、合気道と細く長くお付き合いをしてきました。合気道と一言で言っても中身は様々です。これまで多くの方々の合気道に触れ、その受けを取らせて頂き、その度に新しい発見があり、その経験が私の身体の中に蓄積されて、私の合気道が形成され、人格・身体にも大きく影響して来たと思います。
合気道で最も重要なのは基本技と呼吸法だと思います。体の転換・一教・入り身投げ・四方投げなど、基本がしっかり身に付くと、相手の攻撃方法が違っても全て対処出来きるものです。そして心のコントロールも重要です。精神的に落ち着いていないと合気道に限らず、日頃の実力が発揮できません。そして心を落ち着かせる一つが「息」です。「息」とゆう字は、自の心と書きます。自分の心を操るには、吸ったり吐いたりの呼吸つまり「息」を上手に整える事が重要です。
また 体力・精神力と合気道の関係ですが、合気道は普通に稽古していると、知らず知らずの間に体力と呼吸力が付くことも魅了です。体力の向上がないと精神力も強くならない、その逆もしかりです。よく心・技・体と言いますが、健全な身体に健全な精神が宿り、技量も向上するのだと思います。
私は今、薬剤師と言う仕事をしています。 この仕事は、薬剤師法第一条「国民の健康な生活を確保する」と目的が規定されています。具体的には「健」丈夫な身体を作る事そして「康」心をすこやかな状態にする事、つまり身体と心が共に良い状態に保てるように指導する事なのです。では健康になる為には何をしたら良いのでしょう?端的に言うと「運動」「食事」「睡眠」のバランスを整えること、この3つだと考えています。
まず「運動」です。運動する事によって何が良いのでしょう?血行が良くなり筋肉が鍛えられます。筋肉を鍛えると、体温が上昇します。この体温上昇が重要なのです。体温が一度上昇すると身体を守る免疫力は5倍~6倍アップすると言われています。風邪を引いた時発熱するのも、免疫力を高めようとする体の防衛反応なのです。逆に体温が一度下がると免疫力は30%低下します。是非身体を動かす事を心掛けて下さい。
次に「食事」です。何を食べたら良いのでしょう?その答えは歯にあります。人の歯は上下顎に合計32本あり、その内訳は8本の切歯(繊維や肉を切る歯)、4本の犬歯(牙・咬みつく歯)、20本の臼歯(穀物をすり潰す歯)です。つまり食事の内容バランスは歯の比率が示してくれています。62.5%を占める臼歯は穀物・野菜を食する為にあります。後の37.5%が肉・脂肪となります。この事から炭水化物が62.5%蛋白質・脂質37.5%の比率が好ましい事が分かります。人の歯は専ら肉を食するようには出来ていないのです。外食で揚げ物や肉ばかり摂っていると体調不良の元です。食事を摂る時の参考にして下さい。
次に「睡眠」です。睡眠も重要は役目を持っています。まず身体を休める事(レム睡眠)・脳を休める事(ノンレム睡眠)・成長ホルモンを分泌する事です。レム睡眠は浅い眠りで、身体は深く眠っていますが、脳は活発に動いています。夢を見るのもこの睡眠時です。主に筋肉の疲労回復や記憶の固定が行なわれています。ノンレム睡眠は深い眠りで、脳・身体共に休んでいます。血圧・心拍数は下がり、ストレスを解消して成長ホルモン・抗ストレスホルモン等が分泌されます。特に成長ホルモンは午後11時~12時、午前2時~3時に多く分泌されると言われています。子供達は特に早寝早起きに注意しましょう。夜更ししていると成長に大きく影響しますよ。
薬剤師として、合気道を考えますと健康に大いに貢献していると思います。身体を作る事、和の心による精神的な安らぎをもたらしてくれる事、また稽古による心地良い疲労感が良い睡眠を導いてくれると思います。少なくても「運動」と「睡眠」に良い影響を及ぼしています。青少年の健全な育成には最適な武道だと考えます。今後更に合気道を上達させて健康増進を行う為に、食事の項目を参考にして頂けましたら幸いです。
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