お知らせ

2段審査に合格された宇治教室のIさんの感想です。

11月29日

弐段審査を終えて
■大阪合気塾との出逢い
始まりは5年前の年末でした。羽賀先生が御指導なさっている武庫山にある宝塚教室を訪ね、初めて当塾の門を叩きました。冷え込む時節の折、はるか遠く京都から来た私に羽賀先生始め、塾生の皆様は暖かく迎えて下さいました。程なく入門を決意し、そして京都在住の私は宇治教室(京都・黄檗)にて合気道と歩む日々をスタートしました。


■間合いと姿勢
大阪合気塾に入塾してまず気づかされたのは間合いと姿勢の重要性。大学のサークルで4年間、合気道の稽古をしていたこともあり、当初それらを理解しているという自負がありました。しかし、いざ稽古を始めてみると、崩しが成立しない、技が掛からない局面によく遭遇することとなりました。原因は間合いと姿勢でした。入り身の浅さが相手に対するコントロールを滞らせ、それが引いては姿勢(特に背筋)の悪化を招き、力の伝達を妨げるという連鎖が発生していました。上記のことを通じて、今のままの意識では通用しないことを痛感させられました。そして、“今まで自分は積み上げてきた”という自負を一旦横において、真っ新な気持ちで稽古に臨む決意をしました。

 御指導頂いたおかげで、最近では間合いに関して以前と比較して上達が実感できております。しかし、まだまだ今後の大きな課題であることに変わりありません。その難しさは取るべき間合いが状況により刻々と変わるというところにあり、これからも常に最適な間合いを確保し、技の実践が行えるように稽古を重ねていきたいと思います。

 また、姿勢や体の使い方についても触れたいと思います。体の使い方、例として肩の脱力、中心軸の意識、体の向き、剣の動きの意識、中心に収めるなどが挙げられますが、これらを意識するだけで、技の流れがスムーズになり、相手の崩れ方が変わることに当初大きな驚きを感じました。基本技、特に一教や四方投げ、入り身投げでそれを顕著に感じました。体の使い方を学ぶ中で、相手が崩れる、又は相手に崩される感覚や力の方向に対してこれまでより意識して稽古する様になり、そうするようになってから合気道の稽古が益々楽しくなってきたのを覚えています。体の使い方はすぐに身に付くものではありません。薄皮を一枚一枚貼り合わせるが如く、これからも武道的な体の使い方を身に刷り込み、習慣化させ、技の中で自然に体現できるようにしていきたいと思います。

■個性
合気道を通じて大切なことを教わりました。それは“学ぶとは真似ること”であるということ、そして、先駆者の技を見て真似ているつもりでも真似し切れず表れてしまう違い、それが“個性”であるということです。私は稽古での心掛けとして、前で模範を見せて下さる先生の動きを記憶に焼き付けて真似る様に努めております。しかし、元々イメージ通りに体を動かすことが苦手ということもあり、イメージと自らの動きの間に相違があることが否めず、まだまだ試行錯誤を繰り返している状態といえます。稽古の時間は自分の個性を見つめ、課題を克服していく時間であり、また自らの足りない部分と向き合う機会ともいえます。一回一回の稽古の中で教えて頂く技を真似ながら自分と向き合い、これからも更に高みを目指していきたいと思います。

色々な方と稽古させて頂くと十人十色、様々な個性に出会います。年齢、性別、稽古量、熱量、性格、体幹、身長、体重、柔軟性などの異なる様々な個性に出会います。その個性に触れながら、流れの中で相手と一つの技を完成させていく、それが合気道の和合、合気道によるコミュニケーションなのだと思います。このような素晴らしい武道に出逢えたことを心から誇りに感じております。

■最後に
御指導頂いております須磨師範、羽賀先生、そして共に稽古させて頂いております大阪合気塾塾生の皆様に感謝申し上げます。皆様のおかげでもっと合気道が好きになりました。

これからも合気道という道を進む中で、人を知り、自分を識り、互いを尊重し合いながら研鑽していきたいと思います。

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