「合気道探究」(47号)より道主巻頭言の抜粋です。
2月07日
塾生の皆様へ 「合気道探究」47号の道主の巻頭言の中で私が目指している合気道に対する考え方や稽古に対する姿勢について非常に参考になるお言葉がありましたので抜粋してお知らせ致します。
皆さんもこの気持ちを持って稽古に励んで頂ければと思います。
―感謝と意欲―のタイトルで以下抜粋します。
歌舞伎役者、人間国宝の中村吉衛門氏が「先人が築き上げた『型』を守ることで歌舞伎の『心』を次の世に伝えたい」「どんなに正しく伝え、受け継いでも、時代によって、また演じる者の体格や個性によって芝居は変わっていくと思います。変わる部分もあっても良いけれどそれはあくまで、技術を習得したうえでのこと。最近は『人真似など最低であり、個性を発揮する事こそが大切』という風潮もありますが、歌舞伎の世界では、真似て、真似て、『型』を習得した上で自ずと出てくるものこそが、個性なのです」と話されています。
まさにこの事が、私が講習会などで常日頃申し上げている「基本を大切に」ということなのです。合気道の技の基本、入り身、転換の丸い捌きを決して崩さないでいただきたいのです。円熟した一人一人の個性は、正しい基本技の上に成り立つものだと思っています。基本を日々精進した上で、にじみ出る個性であってほしいのです。
試合のない合気道は自分の力量が勝敗によって評価される事がありません。だからこそ甘えがちになる己に厳しく、己の心に打ち勝っていかなければならず、精神的なものが必要になります。稽古の積み重ねによって次第に合気道という『道』を理解して行くようになり、その『道』を追求して行くことで人として成長して行けるのではないかと思います。
開祖の合気道の心、技が合気道そのものなのですから勿論比較など出来るわけもなく、そのものにはなり様がありませんがその魂に近づく事は出来ます。近づこうと真似て真似ていくことが日々稽古なのだと思います。
以上
須磨先生
お世話になります。練習生のK谷です。
改めて「七段位」へのご昇段おめでとうございます。また貴重なお言葉の配信ありがとうございます。
道主の仰る「型」を守ること・・・私もこのことを意識しています。私は空手をしていて組手、試割をして成功した時、できたのは自分が教わった通りにできたからと感じいました。
「型」=「基本」を伝えていくことが上級者のすることで、手前勝手に解釈(成功)したことを後輩に伝えることではないと思っています。
それは先人が実戦を経て伝えてきた技(「術」ではない=ここに各人の解釈が入ってくると思います)であり、武道の「核」みたいな変わってはいけないものと考えています。空手の仲間には「変わっていいものもあるけど、変わってはいけないものは武道にはある」と話しています。(「技もありますが、挨拶、作法、相手への敬意など)
須磨先生が「基本」が大切とご指導していらっしゃるので入門させていただきました。今後ともご指導の程よろしくお願いします。
須磨師範
いつもお世話になっております。
とても心の痛いお言葉の数々です。かねがね師範より基本を大切にと指導頂きながら、つい自分に甘くなり、変な技に走ってしまう…頭で判った積もりで、全く腹に入っていないのが、痛いです。反省しかありません。
しんどい、厳しい基本技が自然に出来るように為ることを目指して、引き続き稽古に臨みたいと思います。引き続きご指導の程宜しくお願い致します。
須磨先生、いつもご指導いただき、またこの度はメールにてご教示いただき誠にありがとうございます。改めて、気持ちを新たに、須磨先生が指し示される方向を、先生の姿をひたすらに真似ることで歩んで参ります。また、その歩みを、須磨先生、先輩同僚の皆様と同じくできますこともこの上ない幸いです。
入門許されて僅か二年余りですが、それまでには想像もしていなかったものを日々感じております。これからも大変楽しみです。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。