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21日の審査で4段に昇段されたM野さんの感想です。

10月22日

須磨キャラクターmiddle 

「平常心」

  平成元年に大学に入学し、合気道部に入部してから24年がたちました。平成4年から平成14年に復帰するまで10年間のブランクがありましたが、いまだに怪我も病気もせず、日々楽しく稽古出来ることは、須磨師範をはじめとするすばらしい諸先生方、稽古生の皆さまに恵まれ、自分が合気道の一稽古生でいられる事を感謝しております。

 

 さて、合気道には試合がありません。試合が無いということは敷居の低い武道であり楽に有段者になれそうだと簡単に考えて合気道をはじめました。しかし稽古を続けてゆくにつれ、いつの間にか甘い考えは消えてしまいました。勝敗がないからこそ、そこから学べる事がたくさんあり今稽古を続けている自分があるのではないかと思います。

その一つとして、「平常心」が大切なのではないかと考えます。

稽古中「姿勢に気をつけ、肩の力を抜き、中心を意識しなさい」と指導されます。合気道を稽古している人であれば基本中の基本として稽古の度に耳にしていると思います。

しかし、理解出来ているはずなのに、実際相手と組むとうまく出来ません。技をしている時、「相手を制してやろう」とか「技を効かせてやろう」または「自分の技が効くのか?自信がない」と考えてしまう時があります。このような考えが頭をよぎった時、体に余分な力が入ります。余分な力が腕に入ると肩が上がり体のバランスが崩れる為、基本を無視して筋力に頼って技をかけようとします。もしこの時の自分を傍から見たなら不格好な姿勢で技をしているはずです。

学生時代、体に力が入ると“軽くなる”=「安定していない」、力を抜くと“重くなる”=「安定している」と教わりました。実際、二人ひと組になって後ろから抱えると力が抜けている方が重く感じます。

このような事が解っているにも関わらず、なぜ逆の事をしてしまうのか?

これは「心」が影響しているのではないかと思います。

「欲」や「不安・恐れ」など「雑念」が入った状態で、技をしていると自分では意識せず余計な力が入ってしまいます。気持ちを落ち着けて、基本を意識した時、良い技が出来るのではないでしょうか。

そこで大事なのは、「平常心」を保つ事です。「平常心」とは辞書をしらべると「ふだんと変わらない心・揺れ動くことのない心理状態」とあります。平常心を保つ事によって、雑念を排し「姿勢良く、肩の力が抜け、中心を意識する」ことが出来るようになるのではないかと考えます。

「平常心」を心がける事は合気道に限らず、実生活でも大いに生かされると思います。

極端な例ではありますが、あるスポーツ選手がガス爆発事故に遭遇した時、重傷を負いながらも九死に一生を得たという話を聞いた事があります。つらい練習を思い出すことによって大惨事のなか落ち着け冷静に行動したことから視界が開け脱出口を見つけ現場から無事這い出る事が出来たとの事です。

ただし、意識するだけでは「平常心」を保つ事は出来ません、道場で一生懸命稽古し、日々の生活の中で心がける事が大切だと思います。また、一緒に稽古している人への思いやりを大切にし、ともに成長出来る様、日々精進して行こうと思います。

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