初段審査に合格されましたTさんの感想です。
1月24日
「合気道と私」
合気道と私は偶然の出会いから始まりました。物心つく頃から何かしら武道への興味があり、時代や父の影響もあり、時代劇が好きな少年でした。劇のシナリオは決まって勧善懲悪スタイルで、「正義は必ず勝つ!」と幼心にも妙な安心感と憧れを感じていました。「やはり男は強く、優しくなければだめだ。」そんなヒーローへの憧れがあったと思います。
やがて中学、高校へと進学すると、武道ではなく野球や水泳といったスポーツにのめりこみ、個人の技量上達とチームプレーの重要度も学んでいきました。しかし、私の一番の弱みである長続きしないくせがいつも顔を出し、いずれのクラブも道途中で止めてしまいました。その後の自分の成長過程でも常にそのトラウマが頭をよぎり、何か新しいことにチャレンジしようと思うとき、「また、何か始めても、また途中で止めてしまうのではないか?」と自らの心に自らがブレーキをかける繰り返しとなり、せっかくのチャンスに何もチャレンジしない自分がいて、もがき苦しんでいました。
そんなある日「何かここで気持ちの切り替えと整理をしなきゃな。」と思い、何気なく吹田にあるスポーツ教室や武道関連の道場をネットで調べていると、大阪合気塾のホームページが目に入りました。「合気道ってどんな武道なの?」と素直に興味が沸き、すぐに洗心館へ向かいました。そこで見たものは、「何だか日本舞踊のようだな。これが武道なのかな?」という第一印象でした。
ただ、今まで自分が経験してきた根性クラブのようなものではなく、小さな子供さんから女性や高齢な方まで皆が一緒になって真剣に稽古されている姿を見て素直に「自分もこの中に入りたい。ここで新たな世界を経験し、今までの自分を変えたい。」と思いました。当時53歳でした。もう年齢的にもきついかな?と思いましたが、O国指導員が、「全然、大丈夫ですよ。自分も39歳から初めて今があります。」と励まして頂き、背中を押され、晴れて大阪合気塾に入門しました。
実際に入塾してみると、あんなに簡単そうに見えた動きが全くできず、「なんと奥深いんだ!」と感嘆してしまいました。また、他の武道と違い、試合のない合気道は取りと受けで一つの技が完成するということも学び、人間としての生き方を学んでいくような、素晴らしい武道であると感じ、またそれを学べている自分がなんと幸せなことであるかと心から思っています。そしてなにより、須磨先生の素晴らしい人柄と指導力に支えて頂き、こんな飽き性の私が今回の昇段審査の機会を頂くまで辿り着くことができました。
また、多くの諸先輩や塾生の方々も尊敬できる方々ばかりで、本当に大阪合気塾の塾生になれたことに幸せを感じ、誇りをもっています。これからも益々精進して、終わりなき合気道を学んで参ります。
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