お知らせ

2段審査を受けられるK田さんの感想です。

12月26日

 早いもので、大阪合氣塾の稽古に参加させて頂くようになって2年半が過ぎ、この度弐段審査を受ける機会を頂きました。合気道を始めてから、また大阪合氣塾に参加させて頂いてからの私の所感を書き留め、今後の目標及び決意を明確にする場とさせて頂きます。

  1.合気道と私

   縁あって私は学生時代の計4年間を中国上海で過ごしました。経済発展著しい上海には世界各地から留学生が集まって来ており、現地中国の学生だけではなく、東南アジア、韓国、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカの学生と共に学んでいました。

 

   大学在学中のある日の夜、留学生寮主催のクリスマスパーティがありました。そこでは留学生だけではなく、中国の教員も参加し、各国の歌・楽器演奏・ダンス・各種パフォーマンスなどが順次披露されていました。彼らの演目や美しい民族衣装を見て非常に感動する一方で、このような国際交流の場で、自国の伝統文化を紹介する術を何一つ有していない自分の姿を改めて知ることになり、大きな衝撃を受けました。 考えてみれば当時の私は日本の伝統的な服装とも言える袴などは持ってもいなければ付けた事もなく、袴と言って思い浮かぶのは、毎年の成人式で袴姿の新成人が酔って暴れる姿でした。どれだけ自分の国の文化を大切にしていないかを感じました。

 

   このクリスマスパーティの時に受けた衝撃はその後も自分の頭に残り、「自国を離れて生活するからには、自国の文化を紹介できる何か一つは身に付けていなければいけない」と思うようになりました。そのような背景の下、私が選んだのが合気道です。日本の伝統である袴姿、立ち居振舞いを身につけられることに大きな魅力を感じ、また当時世の中が何かと物騒であったので、万が一の時に自分の身を護ることができるのではと考えたからです。学生生活を終え日本に帰国し、社会人になってから、2007年の1月に東京で合気道を始めました。 合気道を始めてからはその動作の原点が剣(杖)の動きにあることや、相手を想いやる気持ち、相手と争わず一体化すること等、想像していた以上のことを学ぶことができました。体に余計な力が入っていないか、相手を崩せるポイントはどこなのか等、合気道の考え方は日常生活、社会生活にも通じることが多々あり、合気道は自分の人生を深めてくれる要素だと実感しています。

 

   合気道を始めて8年が過ぎようとしています。また、社会人としても間もなく10年目を迎え、中堅として重要な場面を任される機会も増えて来ています。  今後の社会生活において、合気道を始めるきっかけとなったクリスマスパーティのようなイベントが、どこかで必ず巡ってくると思っています。将来、海外の賓客を歓迎する場で、日本が世界に誇れる文化である合気道の演武をして、日本への理解を深めてもらうのが私の夢です。今回の弐段審査を一つの通過点として、夢が実現する日まで、これからも合気道の研鑽に努めて参ります。須磨先生、指導員の皆様、同門の皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。

2.大阪合氣塾と私

 

前段「合気道と私」にて、壮大な夢をぶち上げた私ですが、大阪合氣塾に加えて頂いてから、一時期は道場からのフェイドアウトを考えたこともありました。以下は、大阪合氣塾に加えて頂いてからの私の所感です。

 

   20115月、当時所属していた東京の道場で初段を頂いた後も稽古を続けておりましたが、約1年後、勤務先から大阪転勤の命が発令されました。  大阪転勤に当たり、合気道は絶対に続けたいと考えていましたので、住まいよりも先に合気道道場を検索し、住む場所も決まっていない中で大阪合氣塾を見学に伺いました。大阪で最初に見学に行った道場でしたが、須磨先生の御指導内容(相手に怪我をさせない四方投げが特に印象に残っております)に感銘を受け、大阪合氣塾で合気道を継続させて頂きたいと思い、道場のある江坂に引っ越して参りました。

 

私が大阪合氣塾の一員に加えて頂いた直後は、I原さん、T野さん、N西さん、Pターさん、O崎さんが当時まだ白帯で稽古されていた頃でしたが、皆さん基本に忠実で、初段の自分よりずっと上手に感じました。  基本動作ができておらず、自分のレベルの低さを実感した私は、稽古を続けていくことを非常に恥ずかしく感じ、その日の気分で稽古に行くのをやめてしまう事もありました。  初段を取得したことにより、袴をつけるという、合気道を始める前の大きな目標であったうちの1つが達成され、「合気道を続けている」という事実のためだけに、稽古に参加していたからだと思います。

 

   しかし、大阪合氣塾で真剣に稽古に励む一人一人の姿(特に審査での姿)に感銘を受け、自分はこのまま「合気道を継続する」だけで良いのか、という疑問が湧き上がってきました。話は若干飛躍しますが、自分の人生を思い返してみると、私は、最後まで諦めずに努力をする人間ではなく、難しいこと、可能性が低いことに関しては早い段階で見切ってしまう生き方をしていたことに気付きました。合気道を通して今まで自分ができなかった生き方に挑戦しようと思い、この1年間は、自分に対しては「最初から上手い人なんていない」「下手な姿を見せることは恥ではない」「下手であることは事実として認め、稽古に食らいついて行く」と言い聞かせ、自分のこれまでの人生に欠けていた、「自分からは絶対に線を引かない、諦めない」姿勢で稽古に取り組んで参りました。このような気持ちで稽古に臨んで来た2014年の年末に、弐段審査に挑戦させて頂けることを本当に嬉しく思います。

 

   大阪合氣塾は、基本動作を本当に大切にされており、級・段を問わず上手な人が多いことを日々驚きながら実感しています。特に知り合いがいた訳でもなく、ネットで偶然見つけた大阪合氣塾ですが、この道場の一員に加えて頂いたことは、私の人生の誇りです。まずは目前の審査に全力で挑み、今後の人生でも、この道場での稽古を通して学んだ、「自分からは絶対に線を引かない、諦めない」生き方を貫いて参ります。

 

2段審査を受けられるK田さんの感想です。」へのコメント(2)

  • O國

    ご昇段、おめでとうございます。
    真摯に愚直に、私が好きな言葉です。
    人間楽な方に行きたいと思う生き物です。その代表であるような私ですが、常にこの言葉を胸に稽古に臨見たいと思っていますが、この度の審査を拝見し、やはりこの言葉通りに物事臨むべきだと、改めて感じました。
    今後も稽古を宜しくお願い致します。

    [2014年12月28日 23:34]
  • NAKANISHI

    2段審査お疲れ様でした。
    一つ一つの技を丁寧にされていたのと、審査直前まで沢山稽古されてたのが凄いと思いました。
    私も昇段審査を受けれるよう頑張りますので、ご指導お願い致します。

    [2014年12月28日 17:41]

コメント入力はこちら