2段審査に合格されましたKさんの論文です。
9月26日
「とにかく肩甲骨を柔らかくしよう」 ~二段審査を終えて~
振り返ってみると、初段審査を受けた頃は、丹田の力を使った動きは全くできていなかったように思えます。それに、40代初めから四十肩、五十肩の痛みと格闘していたので、常に肩をかばい、肩に力が入り、1時間の稽古でいつもクタクタになっていました。稽古の相手にとっても、私の受け身は硬く、やりにくかっただろうと思います。受け身が硬いことは怪我の原因にもなるのでしょう。入身投げの受けをした後、むち打ちのように首筋が張って痛むことがよくありました。
自分の合気道に転機があったのは、コロナ渦で始まった「結びの稽古」「丹田を意識する稽古」でした。スピードやダイナミックさではなく、ゆっくりあわてず、中心軸を意識して確かな技を身につけることを目的とするような稽古でした。技を受けるときも「結び」と「丹田」は大切な要素で、できるだけ肩に力が入らない受けを心がけようとしました。そこで気づき、私が考えた身体の動きのメカニズムは「頭で丹田を意識して使おうと思っても、それはそもそも無理。結んでいる箇所と丹田を繋ぐのは肩甲骨。肩甲骨が作用しないと丹田からの力は腕には伝達しない。つまり、肩甲骨が重要。」でした。(そういえば、左右の肩甲骨がくっつくくらい柔らかいオリンピック水泳選手や有名メジャーリーガーをテレビで見たことありますよね。)
まず、「肩甲骨を柔らかくする」「肩甲骨の可動域の広げる」ために、You Tubeで「肩甲骨剥がし」と検索、たくさんある中から自分に合った動画を見つけ、1日15~20分程度のストレッチ運動を始めました。肩甲骨を柔らかくするには、その周りの筋肉だけでなく、一見関係なさそうな部位(例えば、二の腕の下の筋から脇にかけて)のストレッチも有効であることがわかり、比較的苦しまず、楽しく行うことができました。たまに筋が張っていると感じたときは、ゴルフボールを床に置き、その上でグリグリ、気持ち良い程度に指圧をするとか、いろいろなことを試しながら、徐々に肩が柔らかくなっていきました。
稽古での実践では、うまくできることはまだ少ないのですが、相手と結ぶタイミングで肩甲骨を緩め、肩甲骨から丹田に力をたまっている状態で技に入るようにしました。例えば、呼吸法で腕に力が入っていると感じるときは、肩甲骨をジョイントとして丹田と腕が繋がっていない状態なのだと思いました。それと、自分なりの方法論が見つかってから、先生や先輩方から教わる話が少しづつ理解できるようになり、次はこうしよう・ああしようと考えられるようになってきました。
技を取るとき、技を受ける時に作用する力の伝達方法を考えることは、合気道の面白さの一つだと思います。知的好奇心を満たしてくれる感覚。手首の角度や指の方向でも技の精度に差が出ますし、場面や相手の体格によって対応の仕方が変わりますので、いろいろなタイプの方と稽古を重ね、自分の引き出しを増やしていきたいと思っています。
今日、二段審査の合格をいただきました。日頃よりご指導いただいている須磨先生、先輩方、一緒に稽古させていただいている大阪合氣塾の皆さん方にお礼申し上げます。それと、審査で受けを取っていただいたアドリアンさん、審査を見ていただいた羽賀さん、次のステップに向けての的確なアドバイスをいただき有難うございました。剣を振り下ろしたときの「絞り」が当面の重点課題で、それを体得し、体術にも活かせるよう取り組んでいきます。
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